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能美市の空き家対策支援制度

石川県小松市の北側に隣接する能美市にも、小松市や加賀市と同様に、空き家の有効活用と定住促進を目的とした制度として「空き家バンク」がある。更に、空き家関連の補助金制度として、「空き家改修費等補助金」(同様の制度は、小松市もあるが、加賀市なし)、「空き家清掃費等補助金」(同様の制度は、小松市・加賀市共になし)、「空き家等解体費補助金」(同様の制度は、小松市・加賀市共になし)がある。
なお、これらの制度は、各市より中身が随分違うことがある(e.g. 改修費補助金の要件の違い)ので、制度の名称が類似しているからと言って、隣の市と同等の支援が受けられると思い込まず、各市の制度の中身を把握する必要がある。

以下に、これらの制度の概要及び私が気になった注意点も述べる。なお、制度の詳細については能美市役所地域振興課(直通:0761-58-2212)に確認されたし。

空き家バンクとは、能美市内で賃貸又は売却したい中古住宅の情報を能美市が運営する空き家バンクに登録することにより、能美市役所のオフィシャルサイト内で物件情報(賃貸物件情報売買物件情報)として公開され、空き家の賃貸・売却希望者と、能美市内の居住希望者をマッチングするシステムである。

【補足】
・空き家バンクへの登録は無料である。
・空き家バンクの登録対象物件は、小松市や加賀市と異なり、賃貸・売却共に戸建住宅のみである(共同住宅や長屋は不可)。
・能美市役所は物件の紹介までであり、現地案内・交渉・契約に関しては当事者(空き家所有者と居住希望者)が直接行う必要がある。なお、当事者のどちらかが直接行うことに不安があれば、仲介手数料を支払う必要があるが、宅建業者に仲介を依頼することを勧める。また、特定の仲介業者がいなければ、市役所に仲介業者を紹介してもらうこともできる。

空家を改修する所有者等又は入居者に対し、空家の改修費用の一部を補助する制度である。

【補助金額】
改修費用の1/2(但し、限度額は50万円)

【要件】
◎対象住宅・対象者
・空家バンクに登録されていること。かつ
・空き家所有者等と入居者の間で、売買又は賃貸契約が成立していること。かつ
・賃貸物件の改修を入居者が行う場合、所有者等の同意が得られていること。かつ
・過去に本補助金の交付を受けていないこと。かつ
・併用住宅の場合、居住部分の床面積が建物の延床面積の1/2以上であること。
◎対象経費
・生活に必要な改修(e.g. 内装、屋根、外壁、台所、浴室、便所、洗面所)の経費であること。かつ
・国、県又は能美市の他の制度による補助金との対象となっている改修以外の部分の経費であること。

【補足】
・申請は、工事着工前に行う必要あり。

【注意点】
小松市では、本制度と同様な制度として「空き家有効活用奨励金制度」がある。
所有する空き家の対象物件は、小松市は賃貸物件だけに対し、能美市は賃貸物件だけでなく売却物件も対象となる。また、補助金額はどちらも改修費用の1/2であるが、限度額は小松市は40万円に対し、能美市は50万円である。
一見すると能美市の方が手厚い補助と思うかもしれないが、そうでもない。と言うのも見落とし易いが、能美市は本制度に次の厳しい要件を設けているからである。

◎要件「売買又は賃貸契約が成立していること」について
能美市のこの要件は、改修工事は成約後に行う必要があると言うことである。一般的な賃貸や売却の流れであれば、住宅所有者は改修前の状態を見込み客に内覧させても成約に至り難い面があるので、まず改修してから賃貸として募集したり、売出し、見込み客が現れたら綺麗になった住宅を内覧させている。しかし、当補助金を受けるには改修前の状態を内覧させ成約に至る必要がある。更に言うと、内覧した見込み客が気に入ったとしても、その後の改修工事により、すぐに居住できなければ、見込み客を逃す可能性もある。
一方小松市の方は、賃貸住宅として活用するための改修工事だと自己申告すれば良く(但し、賃貸住宅として改修後10年以上活用の要件有り)、改修工事完了後に居住者を探すことができる。

能美市役所地域振興課に「売買又は賃貸契約が成立していること」の要件を設けている理由を問合せたところ次のとおり。
・本制度は所有する空き家を放置するのでなく積極的に活用したい人を対象にしていなく、空き家を放置することしか考えていなかった人がこの先入居したい人が現れたら改修して活用しようかと思うような人を対象にした制度であるとのこと。ただ、積極的に活用していた人が申請(e.g.、これまでも賃貸住宅と貸していて、入居者が退去し空き家になったタイミングで申請)してきても、成約後に改修工事をするのであれば要件を満たすので補助金の交付は受けられるとのこと。
・また、空き家を活用したいと思っている人全てを対象にしてしまうと、申請者が多くなり予算的に制度を運営できなくなることから、この要件を設けているとのこと。

この地域振興課の回答を聞いても私にはこの制度の意義を理解できなかったが、あるテレビ番組を見て意図は理解できたような気がする。
と言うのも、先日テレビの電源を入れると「幸せ!ボンビーガール」が放送されていて、「空き家バンク」を利用した人の話であった。番組途中から何気なく観ていたので正確でないが次のような内容であった(複数のボンビーガールのケースを紹介していたので、私の中で話がごちゃごちゃになっているかも)。
都会に住んでいた女性が田舎の自治体の空き家バンクから、そのままでは到底住めない山奥のボロボロの空き家を見つけ、所有者はリフォームする気がないので、借主である女性がその自治体の改修費等補助金を利用しリフォームしている話であった。ボロボロの住宅を借りたので家賃は格安で、リフォーム内容に制約がなく借主の好きなようにリフォームすることができるものだった。

このような居住費負担を可能な限り抑えながら田舎暮らしをしたい人の需要は少ないと思うが、能美市の空き家改修費等補助金制度はそんな人も想定したものと考える。

◎要件「過去に本補助金の交付を受けていないこと」について
能美市のこの要件は、同一物件だけでなく、同一所有者に対する要件でもある。例えば、住宅を複数所有している人が、ある所有住宅に対し本補助金の交付を付けていれば、その後別の所有住宅が空き家になった場合、その所有者は過去に本補助金の交付を受けているので、違う住宅であっても交付を受けられない。
一方小松市の方は、1人の所有者に対し複数住宅の補助金交付を認めている。

以上により、能美市の本制度は、制度自体がないより良いものの、空き家を放置状態にしたくない所有者には利用し難い制度である。

空家の清掃等を行う所有者等又は入居者に対し、その費用の一部を補助する制度である。

【補助金額】
対象費用の1/2(但し、限度額は5万円)

【要件】
◎補助対象者
・空き家バンク登録物件の所有者。又は
・空き家バンク登録物件の賃貸借契約又は売買契約が成立した入居者。

◎補助対象経費
・家財灯具等の処分又は搬出に係る経費。又は
・清掃に係る経費。

【注意点】
本制度の要件も上記の改修費等補助金と同様に、清掃等の作業は成約後に行う必要がある。つまり、家財等の搬出費等の補助金を受けるには前居住者の家財等が残った状態で、また清掃費の補助金を受けるには清掃前の状態で内覧させ、成約に至る必要がある。
本来であれば家財の搬出や清掃作業完了後に内覧させたいところであるが、清掃作業に関しては、内覧時に清掃前であっても内覧者は清掃後の状態をイメージし易く、また清掃を短期間で終了させることができるため入居希望時期に影響を与える可能性も低いので、成約後に清掃を行う旨を伝えても入居者の理解を得られ易いと思われる。従って、空き家を積極的に活用したい所有者にとって、清掃費の本制度は、改修や家財搬出の本制度に比べれば利用し易い制度である。

住宅地の流動化と市民の安全で安心な居住環境の形成を図るため、空き家等の解体費用の一部を補助する制度である。

【補助金額】
対象費用の1/5(但し、限度額は20万円)

【要件】
◎補助対象空き家
・居住その他の使用がなされていないことが常態であり、今後も使用の見込みがない家屋であること。かつ
・昭和56年(西暦1981年)5月31日以前に建築された在来木造住宅(旧耐震基準で建築された木造住宅)又は建築された部分を含むものであること。
◎補助対象者
・申請者は空き家に係る所有権又は売買若しくは賃貸を行う権利を有すること。かつ
・申請者は個人であること(法人所有は補助対象外)。かつ
・本人又は同居の親族が市税等を滞納していないこと。

【補足】
・申請は、工事着工前に行う必要あり。

【注意点】
要件として「居住その他の使用がなされていないことが常態である」とあるが、地域振興課に「常態」と判断する期間を確認したところ、「目安として1年程度」とのこと。
従って、例えば実家に一人で住んでいた親が亡くなり、老朽化等により解体するしかない場合でも、すぐに解体せず一周忌が終ってから本制度を活用して解体するのも一案である。

※能美市では空き家対策支援制度以外に、住宅に関する支援制度が色々あり、それらの概要は次回の投稿で解説する。

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